金融の日々

経済、金融工学(デリバティブ)や金融制度等について話題

【債券デリバティブ講義】変動金利について①

 変動金利で払うということは用するに、基準とした短期金利に連動した金利を払い続けますよ、ということです。日本円で基準金利としてよく使われる変動金利を説明します。

  • LIBOR (London Interbank Offered Rate)

- ロンドン銀行協会の有力会員が一定の信用力を持った金融機関に対する短期貸出金利の平均値です。

- JPY,USD,EUR,GBP,CHFと通貨毎に金利が掲示される

- 通貨によるが、1日、1週間、1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、12カ月物がある。

- 毎日各銀行のLIBOR金利を集計し、ロンドン時間の11時に公表している

- 恣意的に変動金利を操作する行為が横行したため、ロンドン銀行協会からインターコンチネンタル取引所に管理が移された。

世界中で最もよく使われる基準金利です。金融機関の変動金利と言ったらLIBORです。

  • 全銀協TIBOR(Tokyo Interbank Offered Rate)

- LIBORの東京版。全国銀行協会員(日本の組織だが、外銀も所属)の有力銀行で決める

- 通貨はJPYのみ

- 1週間,1-12か月物がある

- D-TIBORとZ-TIBORの2種類ある

- D-TIBORは日本の金融機関のみで決められ日本国内の短期金利を表す。

- Z-TIBORは海外の金融機関も含めて決められる短期金利。オフショア(日本国外)で円を金融機関同市で貸し借りするレートを表す。

D-TIBORは金融機関間だけでなく、銀行が企業等に融資する際の基準金利にも使われています。ちなみにD-TIBORとZ-TIBORの差はあまりないですね。

- 個人、不動産購入者、一部の企業向けの融資に使われる基準金利

- 短期は1年未満、長期は1年以上の貸し出しを主に指す

- 各行が独自に次行のプライムレートを公表している

- 金融機関間同市の取引金利や日銀の政策金利にあまり連動しない。特に金利が下がる方向への反応が非常に鈍い

- 短期プライムレートは2009年1月以来動いていないことが分かる。

  • TONA(Tokyo OverNight Average)(無担保コールO/Nレート加重平均値)金利 

- 金融機関同士の当日から翌日までの無担保の貸出金利

- コール市場は金融機関同士の1か月未満の短期の賃借取引の市場です。日々の金融取引の結果余分が出たり、少し不足が出た場合の資金繰りの微調整に使われます。

- 毎日日銀から無担保コールO/N(Over/Night)の加重平均値が発表されています

- 日銀の金融政策の誘導目標として使われていた

- 金融機関同士の取引の際に受け入れた現金担保に対して支払う付利に使われる

 

WEBページを漁ると上記の内容を探すことができると思います。これらの変動金利はそれぞれ用途に対してある種の歪みを抱えています。

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